基本
基礎代謝は、安静状態でも必要な最小のエネルギー代謝で、成人男子で1日約 1,500kcal,成人女子で約 1,200kcalです(年齢等による差はある)。
基礎代謝量計算式:一日の基礎代謝量[kcal]
男性: 66+13.7×体重[kg]+5.0×身長[cm]−6.8×年齢
女性:665+ 9.6×体重[kg]+1.7×身長[cm]−7.0×年齢
* 欧米で使われているハリス・ベネディクト方程式
体温が上がると基礎代謝量も上がります。
日本人の場合は骨格が小さいので数パーセント差し引く必要がある(別式参照)。
基礎代謝基準値=基礎代謝量÷体重
基礎代謝基準値が高ければ脂肪が燃えやすく、低ければ燃え難くなります。
食事で摂取し余った糖質や脂質は脂肪細胞に蓄積され体脂肪になります。
体脂肪を減らすのは食事のコントロールにより体脂肪を増やさない事と運動により体脂肪を燃焼させる事の二つで、運動により筋肉量が増えると基礎代謝が上がり消費エネルギーが増します。
体脂肪のエネルギー量は1g辺り約7.2kcalです。
子供の頃に太っていた人は白色脂肪細胞の数が多く、太りやすい体質になっています。思春期の頃に白色脂肪細胞の数は決まり、それ以後は変わりません。
中性脂肪を蓄積する白色脂肪細胞と脂肪をエネルギーに変える褐色脂肪細胞があります。
体脂肪率
区分 (細身)(標準)(軽肥満)(肥満)
男性:15未満,15〜20,20〜25,25以上 [%]
女性:20未満,20〜25,25〜30,30以上 [%]
体脂肪計は生体インピーダンス法という人体の電気抵抗を測定する製品が主ですが、水中体重秤量法は比重の違いを利用した体脂肪率測定法です。
皮下脂肪型肥満は若い女性を中心に多く、内臓脂肪型肥満(ビール腹、生活習慣病に要注意)は中年男性に多いです。
内臓脂肪は貯まり易く使われ易いエネルギー源で、有酸素運動では皮下脂肪より先に消費されやすいで
す。
肥満度(BMI)=体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]
(痩せ)18.5未満,(標準)18.5〜25,(肥満)25〜30,(高度肥満)30以上
インシュリンは膵臓から分泌されるホルモンで、食事により増えた血糖値を下げて一定に保とうと働いて体脂肪を合成します。また脂肪細胞の分解も抑制します。
血糖値は血液中に含まれる血糖の値の事で、1日の血糖値は健康な人の場合で70(80)〜130mg/dlの間を変動し、空腹時は正常型で100mg/dl未満で、食後2時間では140mg/dl以下ですが、これらは年齢と共に高くなります。
乳酸は短距離走等の素早くエネルギーが必要な激しい運動をする時に糖を分解してエネルギーの元になるATPを作る際に発生される代謝産物であり生産量が排出量を上回ると一時的に筋肉中に溜まる物質で、筋肉に十分な酸素が行き渡る有酸素運動等では発生しません。
乳酸は蓄積すると筋肉が酸性に傾き動き難くなる等の理由で疲労物質とも言われてきましたが、形を変えて筋肉を動かすエネルギー源にもなっているので最近では疲労物質ではないとか疲労回復物質等とも言われています。
標準体重[kg]=身長[m]×身長[m]×22
適正(摂取)エネルギー量[kcal]=標準体重×生活強度
生活強度:(軽い)25,(中程度)30,(やや重い)35,(重労働)40
生活活動強度別の体重1sあたりの必要エネルギーです。
目標摂取カロリー = 目標体重×25〜30
一日に必要なカロリー=基礎代謝量÷0.6
基礎代謝量×生活活動強度指数=1日のエネルギー所要量 (基礎代謝量=基礎代謝基準値[kcal/kg]×体重[kg])
生活活動強度指数は動作強度から求まります。身体活動強度の生活動作の強さについての指標が動作強度です。動作強度≒メッツ値×1.1等の関係もあります。
リバウンドはダイエット後に体重が元に戻ってしまう現象で、繰り返すと痩せ難く太り易い体質になってしまいます。
食事制限のダイエットをしていると、ある時期に体重が減り難い「停滞期」に入ります、原因は「ホメオスタシス」と言う機能が働き摂取エネルギーの減少に伴ってエネルギー消費も減少し、体重が減らなくなります。
「レプチン」は脳の満腹中枢を刺激する物質で、脂肪細胞に脂肪が吸収されると分泌されます。ダイエットで食事量を減らすとレプチンの分泌量も減少してきます。
レプチンの値は睡眠中は上がります。
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